5ヶ月間の育休を取ったんですけども

感想

控えめに言って大変でした。 子供がそれほど好きでない僕が2人の子供を見たり、上の子を見続けたりするには他人の協力が必要でした。 何が大変だったか、どうやって乗り越えたか、何が楽しかったかについて書きます。 将来の育休パパ、ママの参考になれば幸いです。

大変だったこと

いっぱいあります。一言で言えば「育児休暇であること」に尽きます。有給休暇であれば大変ではなかったと思います。つまり、育児を目的とした休暇であった、ということです。長期休暇だからと言って副業に勤しんだり、勉強に集中したり、趣味に打ち込むのはその目的に合いません。そんなことをしていたら世間体が悪いですし、妻からの評価もだだ下がりです。世間体と妻からの評価というのはなかなかに重要であり、相関の強いものでもあります。例えば、家事育児を十分にしており、妻からの評価が高い状態だと、妻は周囲に夫の愚痴をこぼしません。むしろ、ママ友の旦那愚痴トークに入れなくなるまであります。そうすると、ママ友ネットワークを良い旦那評価が駆け巡ります。そうなると、公園に子供を連れていったときのママさんからの視線が温かいような気がしますし、ママばかりの子育て広場に行ったときのアウェー感もあまり感じません。おまけに義理の両親からも良くしてもらえますし、良いこと三昧です。逆に妻からの評価が低いと…以下略ですね。そもそも妻の機嫌は生活の質にも直結します。妻には笑顔でいてもらった方がいいですよね。寝不足で疲弊していたとしても、夫のおかげで頑張れる、って思って貰えた方がいいですよね。何がいいかは具体的には分かりませんが、短期的にも、長期的にも良いはずです。何がかは分かりません。

そんな中で、大変だったなと思うことを少し具体的に書きます。

一見して妻が疲弊していることが分からない

産後の妻はボロボロです。いや、ボロボロだそうです。産前もしんどいと思いますが、産後はそれはもうボロボロだそうです。産んでないので何も分かりませんし、妻は気丈に振る舞うのでなかなかそうは見えませんが、ここは過剰なほど労らなければなりません。幸いにも、長女はよく寝る子で、授乳間隔も3時間以上空くことがざらにあり、ときには起こさなければ寝続ける夜もありました。そんな日の明くる朝に「今日はよく寝れただろうし子供の世話をお願いして出かけてもいい?」なんて尋ねると顰蹙を買います。普段よりはよく寝れたと言えるかもしれませんが、産後でも妊婦でもない状態の「よく寝れた」水準と比べるとまったくよく寝れていません。1度は赤ちゃんを起こして授乳をしてますし、授乳後にのび太くんのように一瞬で寝れるわけでもありません。なんなら覚醒してしまって数時間目が覚めているケースもあり、よく寝れたなんてとてもじゃありませんが言える状態ではありません。しかし、新米の育休パパである私は、長男のときのそれを知っていたにも関わらず、うかつにも「よく寝れた」などと言い、妻の顰蹙を買ってしまいました。肝に銘じてください。産後の妻には、1度足りともよく寝れる夜は訪れないと思ってください。なんなら毎日が期末試験前夜の一夜漬けの繰り返しだと思って接してください。この過剰と思える接し方がきっとちょうどいいです。

長男がイヤイヤ言う

子供は2歳頃からいわゆるイヤイヤ期というものに突入します。第一次反抗期ですね。幸い我が子はショッピングモールでひっくり返って大声で泣き叫んだり、暴力を振るってきたり、物に強く当たるような反抗はなかったのですごく手がかかったわけではありません。というより、いや、何にイヤイヤ言っていたかあまり思い出せないほど反抗は少なかったです。小さなものでは、用意されたご飯を食べない、身支度など自分で出来ることをやらない、片付けをしない、たまには道端に座る、ぐらいのことはありました。その都度しばらく様子を見たり、仕方なく折れてこちらでやってあげたりすると解決しました。ただ、思い通りに動いてくれないことは強いストレスです。それが計画された行動の中だと一層強くなります。例えば、朝10時にお出かけすると決め、眠い目をこすりつつ長女と自身の身支度をした妻、長女とさあいざゆかんとするときに、朝ごはんを食べない・着替えない・逃げるとなるとイラつきも相当のものです。心にゆとりがあれば許せますが、自身も寝不足で疲れているときにはつい大きな声が出ますし、ときには手も出ます。もちろん、そんなことをしても長男が前に進むわけではないので、そういうときは見かねた妻が優しくなだめ、理由とともに長男を説得して事なきを得ます。これは一例ですが、思い通りに行かないことは育児をしているとたびたびあります。慣れるしかないと思いますが、思い通りに行くことなんてないと諦められるまではストレスとの戦いとなります。

家事分担割合が育休前に比べて増える

今さらですが、僕は在宅勤務であり出社していない分の家事負担を増やしている自覚があるので、家事にはもとより取り組んでいます。料理以外は大体やってます。これは育休前というより、産後であるからが正しいのですが、妻が家事に割けるエネルギーが減ります。言わずもがな、出産により体の至る所にガタが来ているからです。あと物忘れが激しくなります。そのため、今までは協力的であった掃除には消極的になり、整理整頓は完了しづらくなります。子供の散らかしたおもちゃを片付ける力もそれほどありません。そんなとき、代わりにやるべきは育休中である夫です。いえ、代わりにやるのではなく、元々そうであったかのようにやるのです。家庭によって分担は異なりますが、概ね夫が負担すべき家事の割合は、育休となれば増えると思ってください。前述の通り、妻は寝て起きるだけで疲弊します。見た目では分からないかもしれませんが、間違いなく疲弊しているので先回りして行動しましょう。

楽しかったこと

すごく大変なんですが、やはり楽しいんです。僕は、育児休暇は妻のため子供のために取るものと思っているので、僕が楽しむ必要はないんですが、楽しいんです。最も大きいのは、人の少ない平日にお出かけが出来ることです。僕の住む堺市は、関東のそれに比べれば閑散としているとさえ言えますが、それでも人の少ない平日に色々な場所に行けるのは楽しいです。博物館、動物園、水族館、プール、ショッピングモール、色々な場所に行きました。どこも混雑によるストレスを感じずに楽しめます。また、名目は育休といえど、自由な時間も多く生まれます。僕は趣味であるバドミントンに加え、子供が通う体操教室の大人版教室(バク転教室)にも通っています。育休期間限定としていますが、育休がなければ通うことはなかったでしょう。また、生涯バク転やバク宙が綺麗に出来るようにはならなかったでしょう。目下練習しているのは立ちブリッジからの起き上がりですが、余談です。このように、お出かけの楽しみと自由時間の楽しみが増えます。子育てに関する楽しさもありますが、どちらかといえば大変さが勝るのでここでは割愛します。

延長したいか?

いえ、どちらかと言うとしたくありません。家事は得意な方で、育児はそれほど得意ではない方ですが、どちらよりも仕事の方が楽しいです。僕は市の運営する子育て広場を活用していたので少し「地域で子供の世話をする」という意味が分かりますが、どちらかというと家事育児は孤独な活動です。話し相手は妻だけです。子供は話せるようになると可愛いんですけどね。対して仕事は人とします。僕は人と繋がることで精神衛生が向上するタイプなので、労働は罰だとは思っていますがまだマシです。なので延長は遠慮します。

育児辛い?

辛いです。子供を持たないと分かりませんが、子供がいなかった頃がいかに自由で楽しかったか良く分かります。祖父母を頼ってたまに生み出す夫婦2人の時間は特別でした。そのため、習い事や幼稚園、ゆくゆくは学校へと通い、少しずつ育児の負担が減っていく未来を想像するのは幸せです。もちろん、日々の育児の中にも幸せは多くあって、子供を持って良かったと心から思っています。長男は僕の幼少期にそっくりで、周りから可愛がられて育っていますし、長女もどうやらお兄ちゃんに似ているようで、良い意味で騒がしい家庭になることが予想できます。

妻は育休をどう評価してる?

これは直接的に聞いていないので分かりかねますが、及第点には達しているはずです。義理の両親やママ友からの評価は悪くありません。であればきっと本人の評価も悪くないはずです。これは楽観的な僕の精神に依るところがあるので、これぐらいにしておきます。

働いていないという焦燥感は?

ないです。働かなくていいのは良いことです。一応、復帰後お荷物にならないよう勉強はしています。更新が必要な資格も更新します。少しながら普段は関わることの出来ない分野の副業もしています。実は育休初期の多忙期は勉強も副業も出来ないことで少し焦燥感がありましたが、今は諦念といいますか、仕方のないことだと割り切れています。

なんで5ヶ月?

あまり意味はありません。仕事が多く舞い込むのが9月頃という経験則から、その直前までにしようという感じです。

周りにおすすめしたい?

したいです。僕ほど子供に興味がなく、他人の子は一切可愛いと思えない、我が子であってもまったくメロメロにはならないというタイプだと、特に始めたてで苦しみますが、そこを夫婦で乗り越えられれば絆が少し強くなります。また、平日に大体いつでも出かけられる自由は貴重です。出かける場合、多くは家族でとなるので子供が遊べる場所という制約がつきがちですが、例えば両親に子供を預けられれば夫婦で行けていなかった場所に行けます。預けられなくとも、飲食店であれば、人気のお店だとしても子連れで行けたりします。落ち着くことはできないですが、列に並ばず人気店に入れるのは育休の特典だと思います。

最後に

育休、いいですよ。子供が好きならなおさら。最近は育休の選択肢が広がり、少し働きつつ育休という形も選べますし、少子化の波が子育てを少し後押ししてくれています。そう簡単に収まらない波だろうと思いますので、今後も子育て支援策は拡充されていくでしょう。あなたが素敵な子育てライフを送れることをお祈りします。さようなら。